ラ・マヒストラル

色んな町を訪れたときに思ったことや考えたことを中心に書きます。所以、放浪記です。写真はこっちに→ http://nkkwu.tumblr.com/

ある40代の男と

ある40代後半の男と都内のあちらこちらを車で移動することがあった。

御徒町、六本木、代官山。

彼は各街を通り過ぎるたびに、その街で知り合った女との思い出話をとりとめなく話す。

普段はそれぞれに分断された「点」の集まりに過ぎないような街々も、道路を進むことで、ひとつの「線」上に現れる。

過去の思い出もその線ができることで結びつきが取り戻され、時間を大きく前後しながらよみがえる。

けれども、彼の話は、最後には現在の自分のふがいなさを嘆くところに帰る。

「でも、それだけ若い頃に遊んでたことは、ある意味財産なんじゃないんですか?」と聞くに疲れたころに尋ねると、

「金さえあれば、年取ってからでも遊べる。若い頃に将来を考えて、金を持てるようにしてなきゃダメでしたよ。」との返事。

10年後の彼が見た2015年の彼は、どの街にいるのだろう。